心をあやつる男たち – 福本 博文 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

高度成長時代、できる管理職の速成法として注目されたST(センシティビティ・トレーニング)。
しかし、企業から派遣された参加者たちがそこで体験したのは、人格を破壊し、自殺さえも誘発する。精神的拷問に他ならなかった。“自己開発セミナー”の先駆者の半生を軸に、「洗脳」の本質にせまる衝撃のドキュメント。

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書評・レビュー・感想

本書ででてくる先駆者は、ある銀行の営業マンからSTに出会い、研修の請負を生業にするようになった堀田敏安である。当時、東京オリンピック後の高度成長期に、銀行・建設・食品などの一流企業が大量の社員をここへ送った。堀田は、セミナーに暴力や精神的陵辱を多用したので1978年に障害罪で逮捕されるが、その後もセミナーを繰り返していく。
本書は1993年にかかれているが、解説をかいているある精神科医は、「日本社会を成立させている家族主義にも、個別化を忌み嫌うカルト的匂いがある。21世紀は変革の時代といわれているが、変革の対象は何なのか?変えるべきところを変えない限り、方向を変えただけの集団的暴走が再び繰り返されることになるように思う。このような研修・セミナーへ送り出された社員は、職を奪われる恐怖のために、これを拒否できなかったというのだから、会社奴隷を論外と思えないようなところがあったからこそ、このような理不尽にたえられたとも言える。つまり、日本の会社そのものが一種のカルトであったと考えるとわかりやすい。」と書いている。
  
日本経営管理教育協会⇒人間成長センター⇒パーソナリティ研究所と名前を変え、内容を変えてきた堀田氏のセミナー会社についての話が大半である。
以前よんだワンダーゾーンは、同じ著者がこれ以後に書いたものであるが、ワンダーゾーンはいくつかの不可思議なものの潜入ルポであるので、当然セミナー関係のものもあるが、その他チャネリングやπウォーター、波動などそれ以外のものもたくさんあるので教育セミナー(自己開発セミナー)にしぼって、成り立ちから経過を書いたものが本書である。
時系列的に書いてあるのでわかりやすく、今後どのようになっていくかを考えるにはいいと思う。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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