「あたりまえ」の研究 – 山本 七平 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

日本人は無宗教でも無規範でもない。むしろ世界でも最も厳しい個人的規範をもつがゆえに、最も秩序立った犯罪の少ない社会を形成している。だがこれが、宗教=規範の世界には理解されず、しばしば誤解を招く。相手にどのように説明し、納得させたらよいか。国際社会における「説得力」の問題など、日本人を考察する。

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書評・レビュー・感想

説得とは、簡単にいえば、自分の欲していること、あるいは自分がやってきた経験とか自分の能力とかを言語で再構成して、相手のわかる論理で伝える技術である。相手のわかる論理とは、結局、相手の言葉で語るということである。その場合、まずはじめに、相手のいうことを慎重に聞くことが大切である。だから長島は選手として一流でも監督としては三流なのである。
つぎに相手に説得されない方法としては、まずこちらの言葉数を少なくして、こちらの論理をなかなか見せないことである。と同時に、相手の論理は、何を前提としているのかを、ゆっくり探り出していくことも必要である。
そして一番基本的な相手の前提に、疑問をもたせてしまうのである。そうなると、向こうはなんとなくぐらついてくる。大体、何か相手を説得しようという場合、必ずきちんとした前提がある。この場合、まず最初に「じゃ君は、こういう前提で話しているんだね。」ということを確認する。
相手は、そこではじめて、自分の前提に気づく。それが明確に頭にある人は別として、大体は結論のほうを急ぐから、前提はよく考えていない。そのときに、もう一度、前提を引っ張り出す。その上で、この前提はそんなに絶対的なものだろうか、こういうふうにも考えられるんじゃないかと、疑問を提起する。
相手は、それだけでそれにつづく一切の論理がくずれてくる。自分で自分の前提に自信が持てなくなったら、それ以上、突っ込まなくていい。さりげなく「もう一度考えてみたまえ」で終わる。
説得される術も説得されない術も、まったく同じで、しゃべりすぎるのは逆効果だ。そこで「沈黙は金なり」という格言が生きてくる。
・小説の効用
我々は他人の内面の世界を知ることによって、自分の内面世界を把握できる。小説により、自分の世界と他の世界(小説の世界)との間を往復でき、小説の世界から自己の世界に戻ってくるのである。そしてそれによって、人は、自分と違う世界があることを知り、それを知ってはじめて自己の世界を再把握できる。
いろいろな話を例にだすのに奥が非常に深いのでついていくので精一杯だった。2〜3回くらい読む気力が必要かも。
(過去ブログからの転載シリーズ)

本エントリーは、過去に運営していたブログから転載したものであり、一部書き直しならびに追記をしてあります。

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