クラインの壷 – 岡嶋 二人 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

クラインの壷 (新潮文庫)
岡嶋 二人
新潮社

ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。現実が歪み虚構が交錯する恐怖。

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書評・レビュー・感想

本作品は、岡嶋二人の「99%の誘拐」、「そして扉が閉ざされた」と並び、後期傑作三部作の一つでもある。非常に濃厚なミステリー小説。ミステリー好きにはたまらない、オススメ作品。
マトリックスは、この作品を参考にして映像化したのではないかと思わされるほどの完成度であり、それほどのバーチャルリアリティSF作品である。

あの中では、すべてが現実になる。そこにあるものは、木も、家も、道路も、人も、なにもかもが現実なんだ。実際に入った人じゃなきゃ、口で説明しても理解はできないかもしれない。K2の中では、そこに作り出されたものはすべてが本物として知覚できる。触れることができるし、その暖かさや冷たさや、固さや柔らかさも、匂いも音も、完全に現実なんだよ。でも、すべてがニセモノだ。なにもかも、データを組み合わせたニセモノなんだ。自分の身体でさえね。

とても楽しめる作品である。
後期傑作三部作以外では、「解決まではあと6人―5W1H殺人事件」を読んだことがあるが、あれも良かった。
他の岡嶋二人作品をもっと読みたいと思わされる。
岡嶋二人 完全作品ガイド

オカジマフタリを読まずして、ミステリー好きを語ってはいけない。

良作。

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