悪人列伝 近世篇 – 海音寺 潮五郎 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

悪人列伝―近世篇 (文春文庫)
海音寺 潮五郎
文藝春秋

この巻に登場するのは、日野富子、松永久秀、陶晴賢、宇喜多直家、松平忠直、徳川綱吉の六人。いずれ劣らぬ“悪人”たちだが、晴賢、久秀のように悪逆無道の限りを尽くした武将もいれば、綱吉のように賢く気性もすぐれていながら、五代将軍となったが故に、後世の誹りを受けることになった人もいるのである。天下納得の六悪人参上。

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書評・レビュー・感想

本書の対象は「悪人」であるが、戦国時代のように悪人にならなければ生き残っていけないような時代とそれ以外の時代では同じ悪人といっても種類が違うように思う。そういう意味では、戦国時代または江戸初期の松永久秀、陶晴賢、宇喜多直家、松平忠直の4人(特に前の3人)は、時代に悪人にされたといってもいいかもしれないし、意識的な悪人といってもいいかと思う。日野富子に関しては、本書を読む限り、そこまで悪人と感じなかったし、彼女もまた意識的な悪人に含めていいかと思う。悪人の中でもいちばんたちがわるい悪人は、徳川綱吉であろう。
悪人でなければ生き残っていけないわけでもなく、頭が悪いわけでもないが、バランス感覚がおかしく、いいことをやっているつもりで、他人には迷惑というはなはだ困った無意識の悪人である。本人は自分が悪いことをやっているなんて意識は少しもなく、誰からも指摘されたこともないという世の人にとってはある意味、最悪の形だったと思われる。

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