FREE – フリー – クリス・アンダーソン (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 5 分

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン
日本放送出版協会

なぜ、一番人気のあるコンテンツを有料にしてはいけないのか?なぜ、ビット経済では95パーセントをタダにしてもビジネスが可能なのか?あなたがどの業界にいようとも、〈無料〉との競争が待っている。それは可能性の問題ではなく、時間の問題だ。そのときあなたは、創造的にも破壊的にもなり得るこのフリーという過激な価格を味方につけることができるだろうか?

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書評・レビュー・感想

●無料のルール

1.デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
3.フリーは止まらない
4.フリーからもお金儲けはできる
5.市場を再評価する
6.ゼロにする
7.遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
8.ムダを受け入れよう
9.フリーは別のものの価値を高める
10.稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう

本書では、フリーの定義やフリーの歴史、そして現在のフリーについてさまざまなことが書かれている。ほとんどが、海外の事例ではあるが、日本にあてはめても特に違和感を感じないケースも多い。本書は、フリーについての模範解答が書かれているわけではなく、著者がフリーについて調べた結果を分析してまとめたものである。このフリーをどう使うかはビジネス、モデルによって異なり、効果がないケースもあるが、考えるきっかけにはなるかと思う。

新しいフリーは、ポケットのお金を別のポケットに移すかえるようなトリックではなく、モノやサービスのコストをほとんどゼロになるまで下げるという、驚くべき新たな力によっている。20世紀のフリーは強力なマーケティング手法になったが、21世紀にはフリーがまったく新しい経済モデルになるのだ。この新しい形のフリーは、モノの経済である原子経済(アトム経済)ではなく、情報通信の経済であるビット経済に基づいている。

フリーは、4種類に大別することができる。そのうちのふたつは古くからあるが、進化したもので、残りのふたつはデジタル経済とともに登場したものだ。

1.直接的内部相互補助

無料なもの – 消費者の気を引いて、ほかのものも買ってみようと思わせる商品ならなんでも。
無料対象者 – 結局はみんながなんらかの方法で喜んでお金を払う。
ウォルマートの「DVDを1枚買えば、2枚目はタダ」というキャンペーンなどのようにあるモノやサービスを売るために、ほかの商品を無料にする手法。

2.三者間市場

無料なもの – コンテンツ、サービス、ソフトウェアなど。
無料対象者 – 誰でも。
いわゆる広告モデルといわれる手法である。TVやラジオ、雑誌など2者が無料で交換をすることで市場を形成し、第三者があとからそこに参加するためにその費用を負担するというもの。メディアの基本。インターネット上でも多くがこのモデルを利用している。

3.フリーミアム

無料なもの – 有料のプレミアム版に対する基本版
無料対象者 – 基本版のユーザー
スカイプなど、基本無料であるが、オプションなどの機能を利用する場合は有料になるといった手法である。オンラインゲームでも月額費用を取らずにアイテム課金を行うケースはここに当てはまる。シェアウェアなどソフトウェアでよく利用される手法。

4.非貨幣市場

無料なもの – 対価を期待せずに、人々があげるものすべて。
無料対象者 – 誰でも。
貨幣市場においては、無料とされる手法ではあるが、お金の代わりに評判や関心など人を動機付ける価値あるものがやりとりされる。ヤフー知恵袋などのQ&Aサイトへ回答することによって評価ポイントを得たり、サイトへリンクを張ってトラフィックやページランクをもたらしたり、はてブやヤフーブックマークのようにブックマークすることによってランキングへの投票という無償労働を行ったりしている。海外では評判や関心を先にあつめるために、自分の曲を販売せずに無料で配信し、ライブや関連グッズで利益を上げるモデルへシフトしているミュージシャンも多い。そこには不正コピーという概念はなく、無料で配信されたデータがコピーされることを推奨している。

上記の4つのフリーモデルは、大別したものであるため、変形バージョンや複数が交わったモデルなど多くの派生的なモデルが考えられる。それをわかりやすいように単純化したものが上記の4つである。本書ではさまざまなフリーの例が書かれているが、フリーについて印象に残った文章を以下にまとめておく。もちろんこれがすべてではないが、本書の主張の理解する手助けにはなるかと思う。

フリーはモノやサービスを最大数の人々に届ける最良の方法だが、それを目標としていないときには逆効果になりかねない。強力な手法はどれもそうだが、フリーも慎重に使わないと、利益以上の損害を与える恐れがあるのだ。

フリーは魔法の弾丸ではない。無料で差し出すだけでは金持ちになれない。フリーによって得た評判や注目を、どのように金銭に変えるかを創造的に考えなければならない。その答えは、ひとりずつ違うはずだし、プロジェクトごとにちがうはずだ。その答えがまったく通用しないときもあるだろう。

時間を節約するためにお金を払う人がいる。リスクを下げるためにお金を払う人がいる。自分の好きなものにお金を払う人がいる。ステイタスにお金を払う人がいる。そういったものを皆さんが提供すれば、そして、それに人が惹かれれば、人はお金を払ってくれるはずだ。フリーのまわりにはいくらでもお金を稼ぐ方法がある。フリーは新しい顧客を獲得するドアを開けてくれる。無料だからといって、誰からもお金をとれないわけではない。

読んでおいて間違いのない一冊。
社会人なら必読でしょう。

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