100年予測 – ジョージ フリードマン (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

「影のCIA」と呼ばれる情報機関ストラトフォーの創立者でCEOをつとめる政治アナリスト・フリードマンが予想する衝撃のこれからの世界は……。

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書評・レビュー・感想

・アメリカ・イスラム戦争は近く終局をむかえる。
・勢力を回復したロシアは、アメリカと第2の冷戦をひきおこす。
・アメリカへの次の挑戦者は中国ではない。中国は本質的に不安定だ。
・今後、力を蓄えていき傑出する国は、日本、トルコ、ポーランドである。
・今世紀半ばには、新たな世界大戦が引き起こされるだろう。その勝敗を左右するのはエネルギー技術であり、宇宙開発である。
・そして、今世紀の終わりには、メキシコが台頭し、アメリカと覇権を争う。
地政学の手法を駆使してフリードマンが見通す未来は、一見荒唐無稽に感じられても合理的で、的確な洞察力を感じさせる。示唆に富む未来覇権地図がここに描かれている。
読み物として、非常に面白かった。100年予測なので、おもに21世紀について書かれているが、当たるも八卦、当たらぬも八卦というよりは具体的で楽しめるかと思う。著者は、将来の出来事を予想するために「地政学」を使っている。そして、国家や人々は現実という制約の中で動くため、将来の大まかな輪郭をつかむことができると説いている。
まず大きな結論としては、「21世紀はアメリカの時代だ!」ということである。著者は事あるごとにこのことを明確に書いている。社会を大きく変えるのが、人口構造だと説く、21世紀には、世界の人口爆発は終焉し、人口の減少が国家の行動に大きな影響を与えるとのことだ。
時期によってアメリカ以外の世界に影響を与えるような国は変遷していく、2020年では、ロシアと中国を名指ししているが、ロシア、中国ともに自壊、分裂によって世界的国家にはなれないと予想している。
2040年では、日本、トルコ、ポーランドの3国を挙げている。このあたりから、少しづつ血生くさくなってくる。予測では、日本とトルコが同盟を結び、宇宙を戦場としてアメリカと戦う形となっている。ちょっとSFっぽいが、著者はSFではないと何度も書いている。日本人としては、ほんとかいな?とも思うが。
2060年には、戦争に勝利したアメリカが黄金時代を向かえるが、2080年には、メキシコが大きな経済国として台頭し、アメリカの覇権に挑戦をはじめるらしい。このあたりまでくると、時代がずっと進んでいるので、現段階ではイメージはまったくできない。2080年といえば、70年後なので、たぶん生きてないので、確かめることができないのが残念ではある。このような予想に対して、著者は以下のように述べている。

躍進するメキシコがやがてアメリカの覇権に挑戦する、などといっても、荒唐無稽に思われるだけかもしれない。だが、20世紀のはじめに生きていた人たちは、われわれの暮らすこの世界の方が、はるかに荒唐無稽に感じられたのではないだろうか。序章でも述べた通り、未来を予測するにあたって、常識はほぼ必ずわれわれを裏切る。20世紀の間に起こった、想像を絶する数々の変化について考えてほしい。いったい常識を使ってそれらを予測できただろうか?未来を思い描く最も現実的な方法は、当然と思われることを疑ってかかることだ。

日本が、30年~40年後に第二次世界大戦の焼きまわしのような戦争をアメリカと行うなど本当かな?と思われるが、著者の指摘するように「当然と思われることを疑ってかかる」という姿勢から見れば、ありえるのかもしれない。たしかに可能性としては、日米安保が機能しないで、日本が侵略され、国土が蹂躙された場合、復讐を国是とし、経済力と集団組織力、テクノロジー、知的ポテンシャルをミックスした復讐国家ができるあがるかもしれない。その場合、矛先にはアメリカがある可能性は十分にある。

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