右翼は言論の敵か – 鈴木 邦男 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

社会を震撼させるテロ。右翼は「言論の自由」の敵なのか。右翼は自分たちに言論の場がない、だからテロに訴えるのだと主張する。そんな右翼をメディアの側は言論活動の当事者とは認めにくい。そして人々は実態を知らぬまま恐怖心を募らせる―。こうした堂々巡りが何十年も続いてきた。右翼はもともと何を目指していたのか?新右翼の旗頭といわれた著者が、知られざる右翼思想家たち、運動の理想と現実、カネと暴力の実態を論じる。

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書評・レビュー・感想

右翼について少し知りたいと思い、購入した本であるが、戦前から戦中、戦後にわたる右翼の歴史などがまとめられており、非常に参考になった。街宣車の産みの親が、大日本愛国党の赤尾敏(あかお びん)とは知らなかった。
生長の家という宗教は以前から知っていたが、これほど右翼活動に関係が深かったとは知らなかった。
著者は生長の家系の「全国学協」初代委員長である。
Wikipedia – 生長の家

生長の家(せいちょうのいえ)は、神道・仏教・キリスト教等の教えを汲む新宗教。宗教法人格を持つ。1930年(昭和5年)、谷口雅春により創設された。1930年に谷口雅春によって創始された。公称信者数は212万人(2000年12月31日現在)。内日本には約85万人程度とされる。本部は東京都渋谷区神宮前1-23-30。現在の総裁は、谷口雅春の娘婿・谷口清超の二男・谷口雅宣。2008年10月28日に父・清超が89歳にて逝去したため、立教記念日の2009年3月1日付を以て、谷口雅宣が第3代生長の家総裁に就任した。

戦後の右翼にとって大きな出来事といえば、17歳の山口二矢による社会党委員長・浅沼稲次郎刺殺事件と、盾の会による三島由紀夫事件である。その両方の事件に生長の家の谷口雅春が間接的に関わっているらしい。
そして、右翼を代表する大物といえば、「児玉誉士夫」である。
Wikipedia – 児玉誉士夫

児玉 誉士夫(こだま よしお、1911年2月18日 – 1984年1月17日)は、日本の右翼運動家、黒幕。暴力団・錦政会(後の稲川会。会長は稲川裕芳で、後の稲川聖城)顧問。「政財界の黒幕」、「フィクサー」と呼ばれた。福島県安達郡本宮町出身。

著者は、新右翼として有名であり、当然、児玉誉士夫とも親交があると思っていたが、実は違ったらしい。本書では以下のように書かれている。

今になって思うが、児玉誉士夫には会ってみたかった。白井や中村に頼んだら会わせてくれただろう。しかし頼まなかった。野村秋介が河野一郎邸焼き討ち事件で獄中にいるときに、児玉は河野と親しかったにも関わらず野村に差し入れをしている。それほどの人物だ。もし会ったら感銘を受けるだろう。援助してくれるかもしれない。でも、それが怖かった。「児玉系」に巻き込まれたら大変だ。せっかく「新右翼」として登場し、今までの旧い右翼からは絶縁した地点から生まれたと思われていたのに・・・。

本書では、ある元「盾の会」の関係者が以下のように表現している。

右翼はポエム(詩)であり、左翼は散文だ

なるほどな。と思った。著者は、詩では論理で迫る左翼学生とは戦えないと思い、ジレンマに陥っていた時期があったとのこと。しかし右翼にも思想家がおり、論理として語ることもできると知り、ますますのめり込むようになったとある。
学生運動から発生し、テロを否定し、言論のみで戦う「新・右翼」である著者と、右翼全体の歴史や思想、思想家などについての情報がうまくまとめられた本である。

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