会社は株主のものではない つづき – (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

本書の中に

法人とは不思議な存在です。
本来ヒトではないモノなのに、法律上ヒトとして扱われるモノなのです。
つまり、ヒトとモノというふたつの性質を両方持っている存在なのです。
近代社会とは、ヒトとモノをきちんと区分するところから出発していますが、法人とはこれに矛盾した存在なのです。

と法人の不思議さを語っている箇所がある。
近代社会のルールは、
ヒトとモノをしっかり区別し、ヒトはヒトを所有できず、モノはモノを所有できない。
となっていますが、この間に法人という存在をかませることでヒト(株主)がモノとしての法人を所有し、モノとしての法人がヒトを所有し、ヒトとしての法人がモノを所有するといった形でヒト(株主)が間接的にヒトとモノの両方を所有することを可能にしている。
この不思議さをまずは認識しなければならないと思う。
奴隷制度ではないが、間接的に株主は近代社会で禁じられているヒトがヒトを所有することを部分的に行っている。
この法人を媒介にした不思議さが、株主、社員の間での会社は誰のものか?といった議論を複雑にしていると思われる。
全般的にどの章の著者も
「会社はだれのものか?」といった問いには直接答えず、
「そもそも会社とは何か?」や「会社はだれのものか?という問いはだれのためのものなのか?」といったユダヤ人風のより根源的な問いへ、または、より高次元な問いへと変化させているのが面白い。
そういった議論の水準を移す能力もこういった種類の問いには重要なのだと感じた。まあデメリットもありますが。

会社は株主のものではない (Yosensha Paperbacks)
岩井 克人 木村 政雄 紺野 登 奥村 宏 小林 慶一郎
洋泉社
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