ドキュメント高校中退 – 青砥 恭 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809)
ドキュメント高校中退

posted with amazlet at 09.11.11
青砥 恭
筑摩書房

高校を中退していく生徒の家庭には、ひとり親の家庭も少なくない。離婚した母親たちが働く場所もパート等の不安定雇用しかない。少しでも高い収入を求めて、夜は水商売へ働きに出る母親も多い。毎日、昼働いた後、夜遅くまで店で客と飲み、身体を壊して水商売すらできなくなり、いっそうの貧困へ落ちていく。そんな高校中退問題を追った一冊。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

書評・レビュー・感想

本書では実際に高校を中退したたくさんの若者へインタビューした内容が記載されている。非常にリアルで現実ははかなく悲しい。著者は、高校中退の原因のひとつに貧困を挙げている。たしかに貧困が原因のひとつかと思うが、それだけでは決してない。著者は本書の中で、公立高校の無償化を提言している。これは現在の民主党政権で実現される可能性が高い。だが、この公立高校の無償化で、高校中退の根っことなっている問題を解決できるとは思えない。(もちろん著者の提言は公立高校の無償化だけでなく、他にもたくさんある。)
貧困になる原因の1つは離婚であり、養育費をもらえていないケースが多い。
やはり、ドイツのように高校を大学進学を目標とした学校(ギムナジウム)と職業に繋がる技術を習得する学校(マイスター養成校)とに明確に分け、現在の底辺校を職業に繋がる技術を習得する学校へと転換するための政策を実施するのがいいと思う。この政策と高校の義務教育化はセットでもいいかもしれない。
教育が親に依存するのではなく、親から子供を引き離すために社会が準備するものが教育であってほしい。貧困の再生産は少しでもなくなるために。
また、高校を中退する人またはその親に多いのがDVである。その原因はさまざまだと思うが、そういった暴力行為を少しでも緩和するために、感情表現訓練の義務教育化が必要とも思う。
本書を読んで思い出したのが、ヤバい経済学から学んだことである。それは・・・

重要なのは、「親が何をするか」ではなく、「親がどんな人か」という結論。

このことから考えれば、この高校中退問題というものの深刻さがより鮮明になる。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です