貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する – 橘 玲 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

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書評・レビュー・感想

橘玲の最新刊である。

「正社員になることが幸福だ」という昨今の風潮に違和感があって、もうひとつの (オルタナティブな)生き方を実践的な知識とともに提案してみたい、というのが本書を書いたきっかけです。ファイナンス(会計や税務・資金調達)は企業のためだけのものではなく、個人の人生設計にも役に立ちます。グローバル化という現実をイデオロギーで否定してもなんの意味もありません。いま必要とされているのは、一人ひとりがサバイバルするための知識と技術ではないでしょうか。
橘玲

橘玲の本は結構読んでいて、過去にもレビューしている。
社会の中に潜んでいる歪みである「黄金の羽根」を利用してうまく生きていこう!という内容が多いが、ほうそういうのがあるのか!と結構勉強になる。あんまり実践向きではないけど。

本書は、社会の中に潜んでいる歪みである「個人」と「法人」の差というのを利用して人生をうまくやっていこうという内容になっている。副題になっている「雇われない生き方」というのは本書では、サラリーマンが法人(本書の中ではマイクロ法人と呼ばれている)をつくり、企業との契約を雇用契約から業務委託契約に変更し、税制のゆがみを利用してキャッシュリッチになろうという内容。
法人を作るのは難しくないし、個人と法人の税制面での差というのは理解しているが、それでもサラリーマンがサラリーマン法人を作って雇用契約から業務委託契約に切り替えるというのは現実的には難しいだろう。リストラが普通になった昨今でも正社員の解雇にはさまざまな規制があり、簡単には解雇できないようになっている。だからこそ派遣やアルバイトは正社員を目指すわけであるが、その正社員の解雇規制の元にあるのが雇用契約である。つまり雇用契約ではなく業務委託契約に切り替えた途端に解雇規制が取り払われ、契約を切られるということも十分ありえる。その事態を避けるため、言い換えれば正社員の解雇規制のメリットだけでもサラリーマン法人が難しいと思う。
マイクロ法人というコンセプト自体は非常に面白く、チャレンジングだと思う。
会計や税務の知識は必要だが、それがあればキャッシュリッチになれるわけではない。
もし会計や税務の知識のみでお金持ちになれるなら会計士や税理士はみんなお金持ちのはずである。
このマイクロ法人というコンセプトも、「収入」-「費用」=「利益」という基本形の「費用」の部分を控除や損金計上で膨らませて「利益」を見かけ上(税務上)ゼロもしくはマイナスにすることによって支払う税金を少なくし、実際のキャッシュをリッチにしようというものであるが、「収入」を増やすというものではない。
キャッシュリッチになろうと思えばこの両輪(「収入」の増加と税金支払いの減少)が必要である。「収入」を増やすという部分は、読者それぞれが「がんばれ!」ということになる。(当たり前だが)
そのことは本書のあとがきでも触れられている。

会計や税務の知識があれば、法人と個人の複数の人格を使い分けることでほとんどのことが可能になる。だがひとつだけ、この方法では意のままにならないことがある。それは、「お金を稼ぐこと」である。当たり前の話だが、人格を分裂しただけでは収入は増えない。法人化は、収入からより多くの利益を取り出すための技術であり、収入自体はあくまでも自らの知恵と労働で市場から獲得してこなければならないのだ。

ということで、ある程度、稼ぐことができる人に向けた本であることがわかる。

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