ネトゲ廃人 – 芦崎 治 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 5 分

ネトゲ廃人
芦崎治
リーダーズノート

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書評・レビュー・感想

ネトゲ廃人という言葉を知っているだろうか。いわゆるネットゲームに深く深くはまってしまい現実の社会から逸脱した生活を送るようになってしまった人たちを表す言葉である。そんなネトゲ廃人を追いかけて19人にインタビューし、本にまとめたものが本書である。著者はゲーム関係に詳しいノンフィクションライターである。
ネットゲームというのをほとんどしたことがないため、タイトルは聞いてしっていても内容までは知らないものがほとんどである。本書にはさまざまなネットゲームがでてくるが、本書にでてきたタイトルは、ファイナルファンタジーⅩⅠ、リネージュⅡ、モンスターハンター・フロンティア、ミュー奇跡の大地、レッドストーン、ラグナロクオンライン、スタークラフト、ウルティマオンライン、セカンドライフなどである。
ネトゲ廃人はゲームばっかりしている男性というイメージであるが、意外と女性も多く、主婦の割合も結構多い。最近では小学生までいるらしく、意外に幅広い世代にいることをはじめて知った。著者は、なぜそこまでネットゲームにはまるのか?どういった人がはまるのか?などを追っていこうとインタビューしていく。ネットゲームをやめられない原因の1つが以下のようなあるネトゲ廃人のコメントである。

ファイナルファンタジーⅩⅠは、巧に作られたネットゲームだった。六人一組で動かなければならない。ひとりでも抜けると苦戦する。全滅する戦闘になるケースも出てくる。全滅すると、その日一日のみんなの努力が水の泡になる。六人が一丸となって、ゲーム通貨で一万を稼いだ。ところが一回死ぬと稼いだ一万が減ったりする。変に責任が重大なのだ。「私が眠ると、みんな死んじゃう。自分が必要とされている感覚がすごくあるので、眠くてしょうがなくても『もう、寝るね!』とは言えない。続けちゃうんです。」

そういったネトゲ廃人は、他のネトゲ廃人のことをどう思っているのだろうか。すると、

はまっている人は、みんな狂っているんじゃないでしょうか。社会との接点もなくなるし、人から見放された人なんだと思います。生まれたときも死ぬときも一人ですけど、生きている間は、せめて最低限、親とか友達とか何人かいないとさびしいですよね。ゲームをそのまま続けて、おじいちゃんになって、そのまま死ぬのもいいけど、それでは凄くさびしすぎる。それにゲーム中で威張っていてヒーローになったつもりでも、現実に戻ってきたら、孤独なただの独りよがりな、ひねくれた人なんです。そういう意味で、はまっている人はロスタイムを生きているのかもしれません。そこを勘違いしたまま人生ずっと行っちゃうわけだから

と、結構辛口に見ている。そして大抵のネトゲ廃人は、自分の子どもにはやらせたくないという。韓国では、e-Sportsと呼ばれるジャンルがあり、ゲームのプロ選手が300人以上いるらしい。これはまったく知らなかった。スポーツを観戦するかのようにゲームの試合を観戦するらしい。へー。民間企業11チームと韓国空軍の1チーム、合わせて12チームのプロチームがあるとのこと。まー考えてみれば、囲碁や将棋にもプロがあるし、パチンコのようなものにもセミプロがいるので、別におかしくもないのかもしれない。
本書の後半は、そういったネットゲームの闇の部分に焦点をあてているが、結局過ぎたるは及ばざるがごとしで、やりすぎはよくない!という結論になっているが、なんだか違うような気もする。生活、教育環境がそうさせているのでは?というニュアンスも本書には含まれていたが、それはかなりあるだろうと思う。まわりにそういったネトゲ廃人がいないので、現実味がないのかも知れないが、十代~二十代で仕事もせずにパチンコでパチプロのようになっている人も症状としては同じかもしれないなあと思う。そして両方とも根っこは同じような気がする。つまり現象を捉えるだけではどうにもならないのかもしれない。人間、複雑なので、ネトゲやめよう!パチンコやめよう!では解決できないだろうし、非常に難しい問題ではあるが、以前読んだ日雇いバイトなどをしてお金を稼ぎ、ある程度のお金が貯まったら物価の安い海外で気ままな生活を送り、お金が尽きたらまた日本に戻り働くという出稼ぎ出遊びならぬ外こもりとネトゲ廃人はメンタリティは似ているように感じた。結局ところ現実(リアル)から逃げている。逃げ先が、海外かゲーム(仮想)かの違いだけだ。それはパチプロも同じ。現実(リアル)から逃げる本人たちが悪いのか、そうさせる社会が悪いのか、格差問題のときにも感じたが美しい解決方法というものがない。個別具体的な対策を積み重ねていく以外に問題を大きくしない方法はないのかもしれない。(それすら問題を大きくはしないが、小さくできないくらいの力しかないかもしれないが。)

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