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書評・レビュー・感想
お家騒動をまとめた短編の下巻。
今回は、以下の5家について書かれている。
1.仙石騒動
2.生駒騒動
3.檜山騒動
4.宇都宮騒動
5.阿波騒動
仙石権兵衛秀久、生駒親正、蜂須賀小六正勝など織田、豊臣家に使えた家や、南部家など鎌倉時代の末から続く古い家、本多正純のように徳川の忠臣などさまざまなケースの家でのお家騒動が収録されている。これもまた面白く、ずいずいと読み進めることができる。
歴史の表に出てこないお家騒動などもかなりあるのだろうと思う。
お家騒動というのは人間のさまざまなものが凝縮されていて喜劇にも悲劇にもなりうる。
非常におもしろい題材だろう。
昔からお家騒動といえばあるパターンがあったが、そういった単純で通俗的なパターンを拒否して、騒動の根本につめよった作品である。
歴史小説と異なる、史伝としての面白さが本書にはあると思う。