ソフトウェアの瑕疵担保責任期間

【この記事の所要時間 : 約 3 分

ソフトウェア開発の請負契約をする際に発生する問題のひとつが、瑕疵担保責任期間をどうするかということである。法律としての枠組みがどうあって、個別契約としてどうすべきなのか?ということを知っておかなければならない。

●法律上の瑕疵担保責任とは?

まず法律としての枠組みであるが、瑕疵担保責任期間に関する法律は、以下の2つ(民法第637条と商法第526条)である。
民法第637条(請負人の担保責任の存続期間)

1. 前三条の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から一年以内にしなければならない。
2. 仕事の目的物の引渡しを要しない場合には、前項の期間は、仕事が終了した時から起算する。

商法第526条(買主による目的物の検査及び通知)

1. 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2. 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。
3. 前項の規定は、売主がその瑕疵又は数量の不足につき悪意であった場合には、適用しない。

瑕疵担保責任期間として、民法では、「一年」とし、商法では「六箇月」となっていてそれぞれ違っている。どちらをとればいいのだろうか?それを知るには民法と商法の違いを知っておく必要がある。

●民法と商法の違いとは??

民法と商法との関係

商取引に関する行為は、法体系全体の中においては私法の範疇に入ります。
私法の中では民法が最も基本的な法であるため、これを「一般法」といいます。特別法は元来、一般法の中から特殊の事項を抽出し、それを特別に扱おうという趣旨で作られたものなので、特別法は一般法に優先するのが原則です。そして一般法は、特別法にないものについてだけ補充的に適用されることになるわけです。民法は「一般法」,商法は「特別法」にあたります。
商事に関しては、特別法である商法が民法に優先されます。

上記のサイトにもあるように、商取引(商事)に関しては、商法が民法に優先する。つまり、企業間取引におけるソフトウェアの瑕疵担保責任期間は、法律としては「六箇月」となっている。

●瑕疵担保責任期間は6か月でいいのか?

では、瑕疵担保責任期間は、「六箇月」にすればいいのか?といえば、単純にそうともいえない。なぜなら商法で規定される瑕疵担保責任期間は、当事者間の合意によって変更することができるからである。つまり、最終的には契約交渉により、瑕疵担保責任期間というのは決まる。
1年に1回しか動かないプログラムがある場合、瑕疵担保責任期間が6ヵ月では短いが、そうでない場合は、3ヵ月でもいいかもしれない。つまり法的には「六箇月」となっているが、自社が有利になるような瑕疵担保責任期間はどの程度なのか?を考えた上で相手との契約交渉に望むのがよい。
より詳しく知りたい方はこちらへ

瑕疵担保責任と債務不履行責任
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