闇の穴 – 藤沢 周平 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

闇の穴 (新潮文庫)
藤沢 周平
新潮社 (1985/09)
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書評・レビュー・感想

表題の「闇の穴」を含む短編集。
闇の穴は、蒸発した元夫が、再婚して子どもまでいる元女房のところへやってくるところから始まる。少しづつ、少しづつ闇の穴へとひきづりこまれていく様子にぞくぞくした。

わたしを棄てた男が帰ってきた。大江戸の裏店でそっとともした灯を吹き消すような暗い顔。すさんだ瞳が、からんだ糸をひくように、わたしの心を闇の穴へとひきずりこむ。

ほかの短編の中では、「荒れ野」が日本昔話のようで面白かった。

明瞬が思い出したのは、女が毎夜のように食わせる猿の肉だった。それは干し肉だったり、塩漬けの肉だったりするが、どちらも美味だった。そしてそれを食うと、身体に力がたまり、あさましいほど女の身体が欲しくなるのだった。あれは人間の肉ではないのか、と明瞬は思ったのである。そう思うと、女の日ごろの振る舞いまで怪しく思えてきた。

おいしいおいしいと食べていた肉が何の肉だったのか?
現実にもあるかもしれないと思わされる。

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