「絶筆」で人間を読む 画家は最後に何を描いたか – 中野 京子(書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分

西洋絵画史の本といえば、ルネサンス、バロックと続き、印象派を経て現代画に至る、というように、その流れを解説するものがほとんどです。それは、絵画の変遷を知るには有用ですが、単純に作品が並ぶことで、途中で飽きてしまう人も少なくありません。そこで、ご存じ「怖い絵」シリーズの著者は、まず西洋画家を「宗教・神話〈=神〉を描いた画家」「宮廷〈=王〉を描いた画家」「市民社会〈=民〉を描いた画家」の三種類に大別します。

そもそも画家が自由にテーマを選べるようになったのは近代以降のこと。それまでは注文主の要求に応じて描くのが基本で、そうした制約のなかで強烈な個性を照射した名作が後世に残った……と、ここまでは一般の解説書と大きく違いません。著者の真骨頂はここから。「では、その画家は最後に何を描いたか?」 パトロンの庇護を受けた画家の生涯を辿りながら、その主要作品と「絶筆」を見比べることで、これまで作品論に偏りがちだった絵画史を、画家の人生論として編み直そうというのです。すなわち、画家にとって、絵を描くことは目的だったのか、あるいは手段だったのか、「絶筆」はその画家が人生をどう生きたかを映し出す鏡である――というわけです。

本書の体裁は、前作『「怖い絵」で人間を読む』『印象派で「近代」を読む』と同様に、メイン作品はカラー掲載し、「絶筆」には著者自らの手になる引き出し線付きの図版解説を施します。「絵画は“見る”よりも“読む”ほうが先」という新しい鑑賞法を提示し、優れた絵画評論を世に放つ著者ですが、画家の「絶筆」に注目して絵画史を論じる試みは初めてです。そこから浮かび上がるものとは何でしょうか。やはり人間の業であり、「怖さ」でしょうか。中野京子によるNHK出版新書ヴィジュアル版の第3弾です。

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書評・レビュー・感想

画家が最後に何を描いたか・・・「絶筆」を巡る物語。
これは寝不足になる。。。

やはり絵画の面白さは、人間の面白さ。
様々な背景情報を知れば知るほど、面白さが増す!

中野京子さんは相変わらず読ませる文章を書く!さすが。

もうすぐ始まる「怖い絵」展も楽しみ!

良書!

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■「怖い絵展

東京会場:上野の森美術館
東京都台東区上野公園1-2

■会期:2017年10月7日(土)~12月17日(日)※会期中無休
■開館時間:午前10時~午後5時(※入場は閉館の30分前まで)
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