システムを「外注」するときに読む本 – 細川 義洋 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

「このままじゃ納期に間に合わない! 」
「当初の予算に収まらない! 」
「完成したシステムの使い勝手が悪すぎる! 」

企業や組織のシステム開発は、少し前まで「成功率3割」だったほど、失敗する可能性が異常に高いプロジェクトです。

その最大の原因は、

「お客様 vs 受注者」
「システムの素人 vs システムのプロ」
「この通り作ってください」vs「 はい、わかりました」

そういう対立した関係の「壁」を乗り越え、協力してシステムを作る方法を、誰も教えてくれなかったことにあります。

本書は、大手ベンダーでのプロジェクトマネージャー、ITプロセスコンサルティング職を経て、東京地方裁判所、東京高等裁判所のIT専門委員としてITトラブルが法的紛争となった事件の和解調停や裁判の補助を担当し、トラブルを裁判に発展させずに解決に導いた確率が9割を超え、現在は政府CIO補佐官として政府系機関システムのアドバイザー業務に携わる、システム開発に潜む地雷を知り尽くした「トラブル解決請負人」が、大小70以上のトラブルプロジェクトを解決に導いた経験を総動員し、失敗の本質と原因を網羅した7つのストーリーから成功のポイントを導き出す1冊。

本書を読み、あなたが「お客様」から「プロジェクトメンバー」になったとき、システム開発はグッと成功に近づきます。

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書評・レビュー・感想

良書!!

システムを発注する発注側の社長や役職員は、システム発注前の完読をオススメする。それだけで発注プロジェクトの成功確率がぐっと上がるはず。

ベンダー側からはいいにくいが、絶対的に重要なことが書かれている。それが、「システム発注者にも、最低限のスキルが求められる」ということである。売上を求めるベンダーの営業は、システム発注者の発注スキルについて目をつぶることが多いだろう。そのつけが、実際の現場のプロジェクトマネージャーやリーダーにいき、最終的にはプロジェクト失敗へと繋がっていく。

今までは、発注者側もどういうスキルが必要なのか?がよくわからないことが多く、試行錯誤したり、行き当たりばったりだったりしたはずだが、本書を読めば、何が必要で、自分たちが何をしなければいけないかがわかる。

本書では、システム開発における発注者の役割や心構え、ベンダーの「プロジェクト管理能力」の見極め方、プロジェクトメンバーの「モチベーション」の上げ方、社員の意識を変えるために「経営トップ」がやるべきこと、トラブルを回避する「リスク管理プロセス」、ダメージを最小限に抑える「セキュリティ対策」などとてもわかりやすく書かれており、さらにチェックリストもついている。

開発規模の大小を問わず、必ず役立つだろう。

発注側も受注側も失敗したくはないのだ!だったらお互いに成功確率ができる限り高めようではないか。
本書ではそれがどのようなものかがわかる。

本書は小説仕立てにはなっているが、SIerなどのベンダー側からするとあるあるネタになっている。
あーこういう人いる!あーこういう会社ある!このケースあれと似てるね!などなど。

システム開発は、発注者とベンダーの共同作品であり、発注者とベンダーは同じ作品を作る仲間であること、仲間であれば、お互いを叱咤激励しつつも助け合い、目標を達成しなければいけないことなどが理解できる一冊になっている。

ベンダーはシステム開発の引き合いを受けたら、本書を読んでいない場合は見積りしないなどの対応をしてもいいかもしれない。それくらい重要だと思う。

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