手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜 – 喜多川 泰 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜
喜多川 泰
ディスカヴァー・トゥエンティワン

「何のために勉強するんだろう?」
「何のために大学に行くんだろう?」

だれでも一度はそんなふうに思ったことがあるのではないでしょうか?この本の主人公「和花」は、部活と友だち付き合いに明け暮れる高校2年生。夏休みを目前にしたある日、進路のことで父親と衝突してしまいます。

大学に行きたいけれど、成績が足りない。勉強しなきゃと思うけど、やる気になれない……。

そんな和花に兄の喜太朗が紹介してくれたのが、謎の人物「手紙屋」。十通の手紙をやりとりすることで、夢を実現させてくれるというのですが……。モヤモヤした今の気持ちを吹き飛ばしたい一心で手紙を書き始めた和花が、「手紙屋」とのやりとりを通じてどのように変わっていくのか?勉強の本当の意味とは? その面白さとは? そして、夢を実現するために本当に必要なこととは?ベストセラー『君と会えたから……』『手紙屋』の著者が満を持して贈る、渾身のメッセージ。「手紙屋」からの『未来を拓く10の教え』が、自分らしく生きたいあなたの明日を変えてくれるはずです。

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書評・レビュー・感想

感動的なほどの良書である!勉強に悩んでいる方、または、勉強に悩むお子さんがいる方は是非!

本書は、「何のために勉強するんだろう」「何のために大学に行くんだろう」と悩む高校2年生の女の子・和花が「手紙屋」とのやりとりを通じて「勉強」の意義や目的を発見し、人生を変えていく物語である。

読んでいて、「なるほど」と思わされる部分が多く、受験など遠く昔のことである自分から見ても、とても刺激的で示唆的な内容となっている。著者が指摘するようにたしかに勉強のメリットは考えたことがあるが、デメリットというか危険性についてはあまり考えたことがなかった。その意味では、勉強は「やらないよりはやったほうがよい」というものではないというのは正しいと思う。

勉強の目的や面白さを、「勉強をしない」ことで明確にさせるという手法もありがちだが、効果的だと感じた。

特に受験生にとっては、勉強の目的が自分を鍛えるため(磨くため)であり、合格するためではないという部分を腹落ちさせられるかどうかがポイントだろうと思う。社会に出て見れば、どこの大学出ていようが、勉強という道具で自分を磨けている人が優秀であるのは確かである。

勉強でも仕事でも、やると決めたことを最後までやり通す意志の力というのは大きい。勉強を通じて、この意志の力を育むというのは勉強の効用の1つの側面だろうと思う。また「やるべきこと」を「将来の自分が、今の自分にやっておいてほしいこと」と定義しているのも面白い。こうすることによって、将来の自分を設定・想像せざるをえないからだ。想像力の力をうまく活用している。

最後の10通目は、メッセージ性が強く、自己啓発的である。どのように噛み砕くかは読者次第。

10通の手紙を通して、和花は、「自分中心の視点」から「他人中心の視点」への切替ができるように成長している。メンターによって、新しい視点を手に入れるという成長譚になっており、小説としても面白い。

勉強に悩んでいる方、または、勉強に悩むお子さんがいる方は是非!

ちなみに蛍雪篇の「蛍雪」とは、苦労して勉学に励むことであり、車胤が蛍を集めてその光で書物を読み、孫康が雪の明かりで書物を読んだという中国の「晋書」の故事が由来となっている。

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