世界にひとつしかない「黄金の人生設計」 – 橘 玲 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分


世界にひとつしかない「黄金の人生設計」世界にひとつしかない「黄金の人生設計」

第1部 不動産は人生にとってほんとうに必要か?
第2部 6歳の子どもでもわかる生命保険
第3部 ニッポン国の運命
第4部 自立した自由な人生に向けて
1999年に刊行されるや、大反響を巻き起こしたあのベストセラーが、ついに待望の文庫化!
人生の成否は、8割の経済的土台(インフラ)次第。
人生プランを大きく狂わす「不動産」と「保険」、この2つの大きな買い物をすべきか、どんな選択をすれば没落人生を歩まずに済むか、徹底検証。
世にあまたあるポジティヴ人生論をけっして信じてはいけない。
人生をネガティヴな側面から考えれば、そこに真の幸福へと続く一本の「黄金の道」が見えてくる。

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書評・レビュー・感想

持ち家と賃貸はどちらが得か?というテーマ。
5000万円の現金があることを前提にして2つのケースから考えていく。

太郎さんのケース:5000万円の現金で不動産を購入
花子さんのケース:5000万円の現金で有価証券を購入

家を買えば資産として残るが、賃貸を続けていても家賃を払い続けるだけであとは何も残らないから不動産として家を買った方が得である!は本当だろうか?

本当ではない。
バランスシート上、持ち家にも賃貸にも何の違いもない。

太郎さんは持ち家だからいいけど、花子さんは賃貸だから家賃を払わなければならないから、その分持ち家を買った方が得である!は本当だろうか?

本当ではない。
太郎さんは、自分自身に家賃を払っている。
その金額が持ち家の利回りである。
花子さんは、有価証券の利回りから家賃を大家さんに払っている。
どちらが得かは、この利回りを見ないと判断できない。

不動産は値上がりするかもしれないし、値上がりがゼロでも家賃分の利回りがあるからやっぱり持ち家のほうが得である!は本当だろうか?

本当ではない。
不動産の値上がりは、キャピタルゲイン。
不動産の利回りは、インカムゲイン。
有価証券でも不動産と同じように両方ある。

ということで、この段階までは、不動産投資を選んだ太郎さんと、有価証券への投資を選んだ花子さんには資産運用の点で優劣はない。
では何が違うのだろうか?
以下の4つの点で異なっており、そのすべてにおいて不動産は不利である。
1.保有コスト
2.取得コスト
3.売却コスト
4.資産価値

1.保有コスト

株式や債権は一般的に保有コストはゼロである。
しかしながら、不動産は、固定資産税、管理費、修繕積立金などの保有コストがある。
株式・債券・不動産のうち、不動産だけが保有しているだけでコストがかかる。

2.取得コスト

株式や債券の取得コストは、手数料率0.1%程度である。
しかしながら、不動産は、不動産仲介業者への手数料(3%)、不動産取得税、登録免許税、登記費用、建物部分の消費税など取得金額の6~7%の取得コストがかかる。

3.売却コスト

株式を売却した場合、キャピタルゲイン課税は10%の申告分離課税。
債権を売却した場合、キャピタルゲイン課税はゼロ。
不動産を売却した場合、取得期間が5年以上なら26%、5年未満なら52%。
(マイホームの場合は3000万円の特別控除など特例あり)

4.資産価値

株式や債券は、長年、保有しているというだけで資産価値が減ることはない。
しかしながら、不動産は、土地と建物にわかれており、土地は資産価値が減ることはないが、建物は時間が経つほど資産価値が減少していく。(建物部分は30年で無価値)

このように、不動産は、保有コスト、取得コスト、売却コストのすべてにわたって株式や債券などの金融商品よりはるかにコストが高く、なおかつ資産価値がときとともに減耗していく。
こうしたコストを上回るだけの利益(キャピタルゲイン+インカムゲイン)がなければ、不動産投資にメリットはないといえる。
これが本書の第一章の結論である。
そして、本書全体でもっとも重要なことは以下のことである。
子供のいる夫婦は家を買ってはいけません。
それはなぜなのか?
知りたい人は本書を読んでください。

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