システム開発 火事場プロジェクトの法則―どうすればデスマーチをなくせるか? – 山崎 敏 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分


システム開発 火事場プロジェクトの法則―どうすればデスマーチをなくせるか? システム開発 火事場プロジェクトの法則―どうすればデスマーチをなくせるか?

第1部 火事場プロジェクトの○と×
  ・バードビュー
  ・コミュニケーション
  ・エモーション
  ・フィードバック
第2部 デスマーチを斬る
  ・デスマーチはなぜ生まれるのか
  ・どうすればデスマーチを防げるのか
  ・会社をやめる、そして見えてきたもの
  ・1人の力を最大限に活かすには
システムエンジニアやプログラマなど、IT関係の仕事をしている人たちに向けたデスマーチの対策本。
「どうすれば予兆に気づけるのか?」
「自分にできることは何か?」
など、技術力では解決しない問題の「なぜ」を斬る!

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書評・レビュー・感想

とても面白い。
この中にデスマーチを防ぐエキスがある。
しかしながら、重要なのが、これを読んで、「そうだ。これだよ。」と思って終わることではなく、実際に導入を計画し、実践し、フィードバックしていくこと。それが難しい。
顧客との間には、常識の壁やそもそも論など1人では手の施しようもないものも多い。
本書の中で、「家を建てる話」というコラムがあるが、こんなのはほんとによくある話だ。
業界外の人にはわからないかもしれないが・・・

顧客と開発者n間には目には見えない壁があり、システム開発ではその壁が大きな問題につながってしまう。かんたんに言えば、顧客の価値観と開発者の価値観がかけ離れているのだ。もしくは、顧客の常識と開発者の常識がかけ離れているといえる。
この顧客と開発者の壁の厚さを「家を建てる話」でたとえると、システム開発というプロジェクトを知らない人でも、どのくらい大きな問題を引き起こしているか見当がつくと思う。
たとえば、あなたが工務店に働いていたとする。
お 客 : 「流行りの家が1つほしいんだけど」
あなた : 「どなたがお住まいになるのですか」
お 客 : 「決まってないからだれでも住めるように適当に建ててよ」
あなた : 「・・・では、このような間取りはいかがでしょうか?」
お 客 : 「図面?みてもよくわかんないや。それでいいよ。」
あなた : 「お見積もりは3000万円になります」
お 客 : 「高いなあ、1000万円で建ててよ」
お 客 : 「あ、1ヶ月後には住みたいから」
あなた : 「無理です。それでは時間が足りません」
お 客 : 「24時間働けばいいじゃん」
あなた : 「大工も足りません」
お 客 : 「アルバイトを増やせばいいじゃん」
(完成間際になって)
お 客 : 「やっぱり、二階にもバスルームとトイレを追加してよ。あと地下室もほしいな」
あなた : 「それは構造上不可能です」
お 客 : 「それを何とかするのがおたくの仕事でしょ」
お 客 : 「え?バリアフリーじゃないの?今どき常識でしょ?」
お 客 : 「なんか気に入らないから最初から立て直してよ」
お 客 : 「よく考えたら、家なんていらないかも」
このように、かなり常識からかけ離れた会話がされる。しかも、システム開発の現場ではこのような会話が「よくある」のだ。

やっぱり重要なのが、「準備と予防」だと思う。
著者も指摘しているが、危機になったらスーパー火消しがやってきて、プロジェクトを成功させて去っていく-そんな映画のような話は、現実では起こらない。
火消しできる場合もあるが、たいていは、「時すでに遅し」だ。
本書にも火が噴いてからの対処法はのっていない。
本書を活用すれば、デスマーチをなくせるか?といわれれば・・・回答に困るが、デスマーチを防ぐための準備と予防で、デスマーチを少なくすることはできるだろうと思う。
システム開発に関わる人は本書は、必須だと思う。

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