搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! – 阿部 真大 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分


搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! 搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!

第1章 いま、若者の職場があぶない!
第2章 仕事にはまるライダーたち
第3章 終わりは突然やってくる
第4章 職場のトリック
最終章 目覚めよ!雑草世代―リスク管理と連帯
大学を休学した「僕」は、一年間にわたりバイク便ライダーの仕事に従事する。そこで出会ったのは、不安定雇用の立場に甘んじながら、危険労働の現場に積極的に飛び込む、同僚ライダーたちの姿だった。広く他業種を見渡しても、ニート問題や引きこもりでやり玉にあがることの多い若者たちは、むしろ、自ら進んでワーカホリック状態に陥っている。それは一体なぜなのか?東京大学大学院に在籍中の著者が、自らの体験をもとに、同世代の団塊ジュニアが直面する労働・雇用問題を分析した、衝撃の論考。

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書評・レビュー・感想

「不安定な仕事でワーカホリックになるメカニズム」というのが本書の内容である。
しかしそのメカニズムがわかっていながら、そのメカニズムに絡め取られていく若者のなぜ?を追体験しながら追っていく。
本書では、著者の経験に基き、バイク便ライダーについて書かれているが、著者も指摘するようにこれはバイク便ライダーに限らず、不安定な仕事でかつワーカホリックになるメカニズムをもっている職場で働いている人たちに当てはまる事象かと思う。
著者は、なぜ?の理由をいくつか分析しているが、より一般化すると以下のようなものになるかと思う。
不安定な仕事でかつワーカホリックになるメカニズムをもっている職場では、1を刺激し、2を用意し、3を維持している。
1.人に認められたい欲求
2.人より優位に立てる舞台
3.演出された高揚感
だが、経営者がそのような仕組みを作り上げ、若者たちを搾取しているか?といえば、著者はそうではないという。では誰が搾取しているのか?それは・・・・
若者たち自身であり職場であるという。(ただし自己責任ではないと。)
このあたりは読んでいてスッキリしなかった。
最後の最後にぼかして逃げられた感じになったからだ。
なぜなら、このメカニズムを利用して、若者を搾取している業界や企業などたくさんあるからだ。
(供給過剰なクリエイティブ系といわれる企業では下積みの人間を使い捨てにすることを企業文化としてビルトインしているところも多い。)
バイク便に関しても経営者のこれらのメカニズムを「まったく」考慮にいれていないと考えるならば、その根拠が欲しいがそれがなかったのが残念。
ある種の内部レポとして読むのがよさそう。
ただ、搾取される者と格差という意味では潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影―躍進するIT企業・階層化する労働現場の方が秀逸。
スポットを当てる部分が違うけど。

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