剣術の段位とレベル

【この記事の所要時間 : 約 4 分

kenjyutsu_menkyo

時代小説などを読んでいると○○流目録だとか○○派一刀流免許皆伝だとか剣術レベルを示すと思われる記号に良く出会う。では、どういうランクがあり、目録や免許皆伝はどの位置にあるのか?と考えると良く知らなかったので、ちょっと調べてみると・・・
剣術の儀式と伝書

切紙、目録、免許、印可が伝書のランクと言われているが名称が流派ごとに異なる。藩校が設立されると各流派ごとに名称が異なると各人が取得した伝書のランク比較が困難として摂津麻田藩の「初期、二度、皆伝」のように統一した藩もあった。伝書と言われている物は大まかに「目録」と「伝書」の二種類である。「目録」は術名の箇条書きや修行上の心得が書かれている。武芸の意味、流派の由来や精神が書かれているが伝書と内容が重なる部分もあり目録がない流派もある。「伝書」は理論中心で口伝(奥義を口で伝える)を筆記した口伝書や聞書、覚書と業の解説、歌書きを添えて伝授した。絵画を使って業を解説する絵目録もあった。伝書のランクとしては北辰一刀流が初目録、中目録、大目録皆伝、天心流が初伝、目録、極意伝、免許、印可と言う順に高位になる。印可を得て独立することが許される。

天然理心流の伝法

天然理心流は香取神道流の流れを継いでおり、剣術、柔術、棒術、気合術を含む総合武術であり、古武道の系譜を継いでいる。その伝法は、
  切紙
  目録(序目録)
  中極意目録
  免許
  印可
  指南免許
の6段階となっている。入門より免許取得までは懸命に精進しても10年以上はかかったといい、指南免許までは更に10数年が必要であり、それも資質に恵まれた者がようやく到達できるという至難の道であった。門人の多くは切紙、目録どまりだったという。

伝書の階級の例

かつて、弟子を教えることが許されるのは、免許とか皆伝、印可とかの伝書を受けた者のみであった。入門時や新たな伝書を頂戴する毎に誓書を差し出し、親兄弟といえどもワザを他言しないことを誓うためだ。修行が進むにつれ、切紙、目録、免許など3~4段階の伝書が与えられた。中には2~8段階の流派もあったが、免許とか皆伝まで10年前後かかるのが一般的であったようだ。但し、当時は地域の全員が挑戦しプロ中のプロを目指しての命懸けの修行で、現代とは比べようもない。皆伝まで辿り着くのは一部の優秀者や経済的貢献度の高かった者、義理のある者などに限られていた。
多くの流派で弟子を持つことのできる免許皆伝とは現代ではどの段位に相当するのであろうか。武道の種目にもよろうが、四段階の伝書を授けるある流派では最初の目録で錬士。百か条を認めた皆伝なら教士以上という。段階ごとに5~10万円の謝礼が必要のようだが、巻物を間違えずに書くだけでも大変な作業で師匠道もまた厳しい。範士九段になったのを機に若衆に伝書を出したら「まだ範士九段氏の師匠が居られるのに」とヒンシュクを買うなど難しい。
またある他芸では皆伝とともに号が与えられ弟子とり可となる。名取りさんだ。その際、30万円とかが必要だが、もちろん初伝から各段階で貢献したうえでの話である。なお弟子達への皆伝允可は協会で行うので段級制度と似ている。

ということで、流派によって異なるのでいちがいに目録だからどのレベルというのはいえないようだが、ある程度の目安にはなるといった感じみたい。流派によって段位などのパターンはだいたい以下のような感じらしい。
パターン1 : 切紙→目録→免許皆伝
パターン2 : 初伝→中伝→奥伝
パターン3 : 初目録→中目録→大目録→皆伝
パターン4 : 切紙→目録→印可→免許→皆伝→秘伝→口伝
この中で、弟子を教えることができるのが、免許、皆伝、印可などの伝書を受けた者のみでそういう人が代稽古や師範となるのだと思う。
時代小説などを読むときのちょっとした知識のために。

坂本龍馬 北辰一刀流の「皆伝」上にある「最終奥義」は習得できず

北辰一刀流の技を正統に受け継ぐ「千葉家正伝北辰一刀流第七代宗家」の椎名市衛成胤氏が語る。「龍馬は北辰一刀流の『皆伝』までいった剣豪であり、弱いはずはありません。龍馬や伊東が殺されたといっても、彼らは不意打ちで斬られただけ。これまで公になっていませんが、『皆伝』の上に“最終奥義”があり、それなら不意打ちも跳ね返せたと言われています。この奥義は精神的な鍛錬が求められる。龍馬らは技術的には申し分なかったが、精神的な部分でたどり着けなかった」

とのことで、北辰一刀流には、皆伝の上に「最終奥義」というのがあるとのこと。各流派にも、表面上は免許皆伝や皆伝などが最高位となっているが、そのさらに上がある可能性も十分ある。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です