「無理」の構造 – 細谷 功 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 4 分

努力が報われず、抵抗が無駄に終わるのはなぜか。本書では、「世の中」と「頭の中」の関係を解き明かし、閉塞感や苛立ちの原因に迫ります。目指すは「思考のコペルニクス的転回」であり、「理不尽なのは〈世の中〉ではなく、私たちの〈頭の中〉である」が本書のキーメッセージです。

 第I部 対称性の錯覚
  第1章 錯覚の積み重ねと「三つの非対称性」―「善と悪」は対称か
  第2章 「知識」の非対称性、「思考」の非対称性―知的能力が理不尽さを生みだす
  第3章 「具体と抽象」の非対称性―お金で上下関係が生まれるのはなぜか
  第4章 「言葉」という幻想―「わかっているつもり」を二円図で表す
  第5章 「人間心理」の非対称性―水は低きに流れる
  第6章 1:9の「ねじれの法則」―「教えられること」と「求められること」は違う

 第II部 時間の不可逆性
  第7章 気づきにくい社会や心の不可逆性―湯は冷め、振り子は止まる
  第8章 社会・会社の劣化の法則―「盛者必衰」の真理からは逃れられない
  第9章 具体化・細分化の法則―高度化すれば視野が狭くなる
  第10章 上流・下流の法則―不毛な議論に費やされる膨大な時間

 第III部 ストックの単調増加性
  第11章 「微分と積分」と現実―増やすのは簡単、減らすのは困難
  第12章 のこぎりの法則―増えだしたら止まらない
  第13章 折り曲げの法則とストックのジレンマ―「対極」は「紙一重」に変わる
  第14章 大企業「病」という幻想―もう「あの時代」には戻れない

 第IV部 「自分と他人」の非対称性
  第15章 宇宙と「人間の心」―「絶対的中心」があるかないか
  第16章 コミュニケーションという幻想―「言葉の意味」の共有は難しい
  第17章 「公平」という幻想―基準は人間の数だけ存在する
  第18章 「対等」という幻想―批判する人とされる人の間に横たわるものは

 第V部 「見えている人と見えていない人」の非対称性
  第19章 決定的な非対称性―「見えていない人」には「見えている人」が見えない
  第20章 「全体像」という幻想―自分の視野の狭さには気づきようがない
  第21章 「経験則」という幻想―自分の経験が「部分」であることに気づけない
  第22章 「啓蒙」という幻想―教育は無力なのか

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書評・レビュー・感想

「具体と抽象」に続いて読んだ細谷本であるが、すばらしい良書!!!!!

本書を読む前に、世の中の理不尽さから受けるストレスを減らすことはできるのか?について手がかりがほしかったが、本書にはその手がかりがあった。

本書の内容を非常に簡単にまとめると

 ・理不尽なのは、「世の中」ではなく「私たちの頭の中」である
 ・理不尽さの原因は、「対称性の錯覚」に気づけていないこと
 ・片側へは無理せずとも「自然に」流れるが、逆方向へは大きな「労力」が必要であることでも対称と勘違いしている
 ・「対称性の錯覚」はいろんな場面にあり、「社会」や「心」についてはより気がつきにくい

というような感じである。
詳細は、本書を読んでほしい。じっくり読んでほしい名著である。

実際、本書を読む前に思っていた「世の中の理不尽さから受けるストレスを減らすことはできるのか?」については、ストレスをなくすことはできないが、減らすことはできると思った。世の中の理不尽さから受けるストレスの原因である「対称性の錯覚」を知り、ムダな努力をなくすことによって十分にストレスは減るだろうと思う。

世の中の「本質」を考える一冊!

お勧め!!!!!!

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