鬼平犯科帳 – 池波 正太郎 (書評・レビュー・感想)

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鬼平犯科帳鬼平犯科帳

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書評・レビュー・感想

最近、池波正太郎の「鬼平犯科帳」を読んでいる。
主人公の火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の活躍を巨匠が描いている。
時代物は好きなのでよく読むがその上で、現代では使われていない、単位をざっくり抑えておいたり、現代の何かに置き換えて考えると面白い。
「鬼の平蔵」と呼ばれる長谷川平蔵の人情味あふれる人間性と悪を許さぬ不屈の意志が見ものである。平蔵は若い頃、深川近辺でその顔を知られ、放蕩三昧の生活を送っていた。その時の至らない経験の数々が、火付盗賊改方長官になった平蔵の人間性に深みを持たせている。


火付盗賊改方は、だいたい以下の構成になっている模様。
 1.長官 - 1名
 2.与力 - 10名
 3.同心 - 50名
与力や同心の中でも多少の違いはあるみたいで、与力筆頭や同心筆頭というのがいる。
当時、どういう家格の人がその役職についていたかを調べると以下のような感じ。
 1.長官 - 旗本(御目見格)
 2.与力 - 旗本(非御目見格)
 3.同心 - 御家人
基本的には、火付盗賊改方は軍事政権下での警察機構なので軍隊に近い。
軍隊における位置づけと比較すると以下のようになると思う。
 1.長官 - 士官(尉官クラス)
 2.与力 - 准士官(准尉~曹長クラス)
 3.同心 - 下士官(軍曹~伍長クラス)
「鬼平犯科帳」に出てくるそれぞれの俸給はだいたい以下の感じ。
 1.長官 - 1500石(家禄400石+役料足高1,100石)
 2.与力 - 100~200石
 3.同心 - 30俵2人扶持(30~50石)
長谷川平蔵は、家禄400石の家であるが、先手組頭に抜擢される。
先手組頭の役料が1,500石であるため、1,100石の足高が支給された。
火付盗賊改方長官は、臨時の役職で幕府常備軍である先手組頭、持頭などから選ばれた。
旗本と御家人の俸給は、「知行取り」と「蔵米取り」に分かれる。
例えば、30石の知行取りならば、四公六民で実際に受け取れるのは、30×0.4=12石の米。
30俵の蔵米取りならば、30俵=120斗で、10斗=1石なので、30俵=12石となる。
よって30石の知行取りと30俵の蔵米取りは実質はほとんど同じである。
30俵2人扶持の30俵は蔵米分で、2人扶持というのは手当てである。
1人扶持は1日に米5合なので、1年では、1800合=1.8石となる。
よって2人扶持ならば、3.6石。
30俵2人扶持というのは知行取りならだいたい33.6石と計算してよいことになる。
では、現代の価値に換算するとどれくらいになるのか?
米1石あたりの相場は金1両が幕府の安定目標価格。
金1両は、相場は時期によって5~20万円と幅はあるが、1両=10万円と考えると以下のようになる。
表示方式は、(知行石/実質石/実質石の現代価値)であらわす。
 1.長官 - 1,500石/600石/6,000万円
 2.与力 - 100~200石/40~80石/400~800万円
 3.同心 - 30~50石/12~20石/120~200万円
となり、同心の30俵2人扶持は安月給の代名詞となっているが、ほんとに安月給。
ちなみにもちろんこれは年収。
金1両 = 4分 = 16朱 = 4,000文 = 10万円 と考えると、1文 = 25円。
江戸時代はぴったり4の倍数での値段設定が多く、茶店で1杯4文、だんご1皿4文、銭湯で大人8文、子供4文、屋台のそばが16文などである。
これを現代価格に換算すると、
 ・お茶1杯 = 4文 = 100円
 ・銭湯大人 = 8文 = 200円
 ・屋台のそば = 16文 = 400円
となり、ぐっと身近になり、時代物を読むときにより楽しく読めると思う。

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