漂流記の魅力 – 吉村 昭 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 2 分

日本にはイギリスの海洋文学にあたるものがない、といわれてきたが、江戸時代に漂流して帰還した者たちから聴取した、何作もの「漂流記」こそ、日本独自の海洋文学ではないのか。ここに、1793年、奥州石巻を出港し、難破してロシア極東沿岸に漂着した「若宮丸」の漂流聞書き『環海異聞』がある。極寒の辛苦に耐えてロシアに10年、生き残った津太夫ら四人の水夫は、鎖国日本へ開港を促すロシアの使節船に乗船し、日本人初の世界一周の旅に出る。夢に何度も見た故国の地を踏んだ彼らを待っていたのは、厳しい取り調べだった。しかし、彼らは『環海異聞』という貴重な証言を残してくれた……。

これまで、六篇の「漂流小説」を書いてきた私(著者)は石巻に赴き、200年前、「若宮丸」が出発したかもしれない港を遠望する高台に立ち、深い感慨にふけるのである。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

書評・レビュー・感想

漂流ものが好きなので、著者の吉村昭氏の本であれば、「漂流」や「破船」などを読み、江戸時代の漂流をまとめた「江戸時代のロビンソン―七つの漂流譚」などを読んできたが、本書は、ロシアへの漂流をメインに書いている。

本書の大半は、若宮丸・津太夫の漂流記となっている。

同じロシアへ漂流した大黒屋光太夫たちの漂流記は、著者が著書「大黒屋光太夫」でまとめているので概要だけで詳細は割愛されていた。本書は、津太夫の漂流記として読むのが自然だと思う。

日本と通商したい当時のロシアへの漂流。

やはり漂流物は熱かった!

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です