男のリズム – 池波 正太郎 (書評・レビュー・感想)

【この記事の所要時間 : 約 3 分


男のリズム男のリズム

人は変わり、世は移るとも、これだけは絶対に変わらぬ男の生き方を綴った必読の十二章。
 ・劇場
 ・家
 ・食べる
 ・着る
 ・散歩
 ・映画
 ・最後の目標
 ・26年前のノート
 ・家族
 ・私の一日
 ・旅
 ・母
東京の下町に生まれ育ち、仕事に旅に、衣食に遊びに、生きてゆくことの喜びを求めてやまぬ池波正太郎の名エッセイ。
友人、知人、思い出の人々、生起するさまざまな出来事を温かく、生き生きと描いて興趣つきない滋味たっぷりの一冊!

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書評・レビュー・感想

池波正太郎といえば「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」。
どちらかといえば、藤沢周平派なので、あまり読んではいなかったが、本屋でジャケ買い。
昭和50年代、池波が50代の頃に書かれた本であるため本書には以下のような注意書きがある。

本書中には、今日の人権擁護の見地に照らして、不当・不適当と思われる語句や表現がありますが、著者が故人であること、作品発表時の時代的背景を考え合わせ、原文のままとしました。

本書は池波正太郎の人生哲学の書である。
池波正太郎という人の味わいが好きな人がなぜ好きなのかがなんとなくわかるようにな気がした。

ひとりの人間の「人生」は、たった一つしかない。
生まれるや、人間は、確実に「死」へ向かって歩み始める。
これだけが人間によって、ただ一つ、はっきりとわかっていることで、あとのことは何もわからぬといってよいほどだ。おもえば慄然とせざるを得ない。
ところで、その「人生」についてだが・・・。
多くの人々は、かぎられた社会環境と、歳月のおどろくべき迅速な経過によって自分でも気づかぬ多くの可能性を秘めながらも、「たった一つの人生」を、選んでいくことになる。
いや、えらべぬままに、不本意な一生を終ることすらある。
男女の邂逅や結婚も同じことで、一定の経過の後には、結果の良し悪しはさておき、いずれにせよ、
「もはや、取り返しがつかぬもの・・・」
に、なってしまうのだ。
人が、小説や演劇、映画などを好むのは、きびしく限定された自分ひとりの人生以外の「人生」を夢見ることができるからかもしれない。

古い時代を感じるが、決して悪い意味ではない。
時代の振り子を感じる。池波時代→団塊世代時代→現在と。
団塊世代時代にシンパシーは感じないが、池波時代には感じる。
このそこはかとない感覚はなんなんだろうかと思う。
時代が戻りつつあるのか、はたまた錯覚か。

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