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「平和ボケ」日本人の想像を超えたプーチンと世界の熾烈な闘い。そして、国益と生き残りのために命を賭ける壮絶な姿。ソ連崩壊からロシアの「地獄」と「復活」を見続けてきた気鋭の国際関係アナリストが、大胆かつシンプルに読み解く驚くべきプーチンの戦略と、来るべき世界の結末。
プーチン・ロシアのアメリカ没落シナリオ!日本以外の世界で繰り広げられている、国益追求と生き残りのための壮絶な戦い。気鋭の国際アナリストが読み解く、日本人が知らない世界の現実と、プーチンが企む驚愕のサバイバル・シナリオ!
書評・レビュー・感想
とにかくわかりやすい!!!!
すばらしい良書だと思う。
ロシア在住の国際関係アナリストである著者が、複雑でわかりにくい外交や国際関係といった部分を、プーチンを中心にとてもわかりやすく説明している。前提知識を持たない学生でも十分理解できる内容である。
ごく普通の家庭で育ったプーチンがロシアの絶対権力者にどのようになっていったのか?とてもわかりやすかった。プーチンの人生がいかに首尾一貫しているかがわかる。プーチンの凄さと旧KGBの凄さがわかった。
また、アメリカが覇権国家を維持するために、いかにドル基軸体制を重要で、それを守るためにどのようなことをしているかもわかった。世界で起こる戦争や政変の多くは、「ドル体制防衛」と「石油・ガスの確保」のために起こっている。
・なぜアメリカは、国連を無視してまでイラクを攻撃したのか?
・2003年のユコス事件がなぜ米ソ新冷戦のきっかけになったのか?
・なぜアメリカは、北朝鮮ではなくイランを潰そうとしたのか?
・なぜグルジアのバラ革命やウクライナのオレンジ革命、キルギスのチューリップ革命が起こったのか?
・なぜウズベキスタンとベラルーシの革命が失敗し、グルジアはロシアに戦争で負けたのか?
外交における「理想主義」と「現実主義」の解説は、今後、国際関係のニュースをみる上でとても参考になった。
1.どの国の政治家もウソをついている
2.表向きは「理想主義」を掲げながら、実は「現実主義」的目標を追求している
3.いつも2というわけではないが、「理想主義」と「現実主義」が混在しており、比率は国によってさまざま
プーチンは、「現実主義」>>>>>>>>「理想主義」という「超現実外交」をしており、それが過去の実績が証明している。
本書は2012年4月に書かれたものであるが、続編的な著者の本が、2013年11月と2014年12月に出されているので、読んでみたいと思う。とてもわかりやすくて今後のためにもなった良書である。