非対称性について

【この記事の所要時間 : 約 5 分

コミュニケーションや言葉の伝え方についてのサイトを読んでいて、非常に重要でありながら、日頃意識できていないことが書いてあったので、メモがわりに残しておく。
社会問題の大きな要因の1つとなっているのが「消費者と供給者の非対称性」であるが、言葉(コミュニケーション)における問題の大きな要因の1つも「話し手と聞き手の非対称性」であるということだと思う。
コミュニケーションの非対称性

ほとんどの場合、コミュニケーションはねじれて伝わっていきます。
どういうことかというと、話した側は「共通部分」と「話し手しか知らない知識」「話し手の思い」を伝えるのに対して、聞く側は「共通部分」だけを認識するではなく、「聞き手しか知らない知識」や「聞き手の思い」の部分を補完してデータをインプットするのです。
こうして、認識のズレが発生します。
・伝わっている部分は、「共通部分」で
・伝えきれなかった部分は、話し手の「話し手しか知らない知識」「話し手の思い」
・元々無い情報に付け加えた部分は、聞き手の「聞き手しか知らない知識」「聞き手の思い」
です。
こうして、誤解が生じます。
「話し手しか知らない知識」「話し手の思い」「聞き手しか知らない知識」「聞き手の思い」という4つの大きな差異が発生するのです。
そして、コミュニケーションに『ねじれ』が生じます。
「言ったことが伝わらない」という事態が発生するのです。
これは「言ったこと」の中に、「話して手か知らない知識」「話し手の思い」があったからです。
さらに、「聞き手しか知らない知識」が付け加えられ、「聞き手の思い」が反映された結果「伝えたかったこと」が曲げられてしまうのです。

4つのファクター「話し手しか知らない知識」「話し手の思い」「聞き手しか知らない知識」「聞き手の思い」でコミュニケーションのねじれを説明している。
とてもわかりやすい。
認識のズレがなぜ起こるのか?どのように起こるのか?についての理路に少し照明が当たった。読みながらそんな気持ちになった。
正確に伝えるために、正確さを求めない

伝えたいと思ったことについての付随情報を出せば出すほど、情報の正確性は上がってきます。
ただし、その伝わる量は一定ではありません。
最初は情報を出せば出すほど正確性が急激に上昇しますが、一定線を越えたところから「情報の正確さ」があまり重唱しないようになります。
ただし、正確さが上昇することには変わりないため、正確さを求める人はついたくさんの情報を伝えようとしてしまいます。
しかし、人間には記憶力の限界があります。
多数の情報が入ってきたときには全てを覚えられるとは限りません。
覚えておける割合は話を聞けば聞くほど減っていきます。

「情報の正確さ」×「理解できる情報の割合」=「理解度(伝わった情報の正確性)」としています。
このとき、理解度が最高になるところは「正しく」伝えきったところではなく、情報をしぼって伝えたときに最高値を取ります。
情報は伝えれば伝えるほど、相手の記憶力の上限を超えて、拡散してしまいます。
そう、情報は「正しく」伝えようとしすぎても、結局伝わらないのです。
今回、この内容を数式を使って解説をしようと考えてみました。
こうすることによって、正しく伝わると思ったのです。
しかし、もし数式を使うと、数式による情報の拡散が発生し、結局のところ正しく伝えきれなくなってしまいます。
正確に伝えようとして、情報を増やせば増やすほど、情報は正確に伝わらなくなるのです。
「誤解を恐れずに言うと」という言い回しがあります。
この言い回しを使うと、「正確に伝えきることはさておき、わかりやすく伝える」という意思を相手に伝えることができます。
100%の正確さではなく、70%や80%の正確さで相手に伝えます。
100%の正確さをあえて捨てることによって、本来伝えたかったことの本質を相手に伝えることができるのです。
人間、学べば学ぶほどいろいろな知識が入ってきます。
そして、伝えるときにはそれら全てのことを伝えたいと考えてしまいます。
しかし、そういう考えでは相手に「伝わらない」のです。
あえて、話の枝葉を取り除く。
あえて、言いたいことを1つに絞る。
あえて、正確さを排除する。
こうすることが、情報伝達相手の理解度(伝わった情報の正確性)を向上させることにつながります。
正確に相手に情報を伝達するには、正確さを求めすぎてはならない。
「コミュニケーションとは相手有りき」
この言葉は、ともすれば全てを伝えようとしてしまう我々を戒めようとしてくれているのかもしれません。

情報を絞って伝えるというのは思っている以上に難しい。
何を伝えるか?ではなく、何を伝えないか?の重要性を指摘している。
逆に言えば、世間でわれわれが接する文章や言葉において、何が書かれ、話されているのか?ではなく、何が書かれてなくて、何が話されていないのか?に注目することが面白いアプローチの1つになるかと思う。

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